Zendesk 2024年8月のアップデート情報をまとめてみました
こんにちは、昴です。
今回はZendeskの2024年8月のアップデート情報について1つずつ見ていきます。
Support
エージェントワークスペースのデザイン変更
Zendeskエージェントワークスペースの会話インターフェースのデザインが一新されました。この設計変更により、チケット内の情報を迅速に取り出して解析できるようになり、エージェントとカスタマーのコメントを区別しやすく、メッセージの開始と終了を速やかに識別できるようになりました。詳しくは「Zendeskエージェントワークスペースについて」をご覧ください。
Zendeskのエージェントワークスペースのデザインが変更されました。具体的には各メッセージに背景色が追加されたことにより、メッセージの開始と終わりが分かりやすくなったのと、メッセージを送信するユーザーによって色分けされるため会話が見やすくなりました。
チケットのカスタムレイアウト作成のプラン変更
Suite ProfessionalプランおよびSupport Professionalプランでも、レイアウトビルダーを使用したチケットのカスタムレイアウト作成ができるようになりました。カスタムレイアウトの作成は、これまでEnterpriseプランのみに提供されていた機能でした。管理者は直感的なドラッグ&ドロップのインターフェースを使用して、作成したカスタムレイアウトをチケットに適用することができます。開発者の助けを借りずに、管理者が自分一人で行なえます。詳しくは「カスタムレイアウトについて」をご覧ください。
これまでチケットのカスタムレイアウト作成はEnterpriseプランのみでしたが、Professional以上でも作成できるようになりました。
カスタムレイアウトは管理センターのワークスペース > エージェントツール > レイアウトへ移動し、「レイアウトを作成」から作成することができます。
エージェント用ホーム画面(Talk)
エージェント用ホーム画面に、Zendesk Talkで作成されたチケットを表示できます。この機能は、ネイティブのTalk機能を使用しているインスタンス、およびTalk Partner Editionを使用してサードパーティのテレフォニーシステムをZendeskに統合しているインスタンスで利用できます。詳しくは「エージェント用ホーム画面の使用」をご覧ください。
エージェント用ホーム画面とは、画面の更新を行わずともリアルタイムでチケットとその最新のアップデートが確認できる機能です。このエージェント用ホーム画面はチケット、メッセージングの会話CCやフォロワーとして追加されているチケットが確認できましたが、Talkから作成されたチケットも表示できるようになりました。
エージェント用ホーム画面は管理センターのワークスペース > エージェントツール > エージェントインターフェースへ移動し、「エージェント用ホーム画面を有効にする」を選択することで利用可能です。
エージェント用ホーム画面(満足度)
エージェント用ホーム画面に新しいインサイトとインタラクションが追加され、旧バージョンのエージェントダッシュボードと同等の機能が提供されます。エージェント用ホーム画面に追加された新しいメトリックには、「満足」または「不満」と評価されたチケットと「解決済み」のチケットの統計へのクリック可能なリンク、グループ内のオープンチケットへのリンク、満足度全般に関する統計が含まれます。 詳しくは「エージェント用ホーム画面の使用」をご覧ください。
1つ前の項目と同様に、エージェント用ホーム画面に「満足度」に関する統計が追加されました。エージェント用ホーム画面を有効にする方法も1つ前の項目と同様です。
※こちらの画像はZendeskヘルプから引用
「コラボレーション」アドオン
Support Professional以上のプランをご契約のお客様は、「コラボレーション」アドオンをご購入いただけます。このSupport専用アドオンでは、ライトエージェントをアカウントに追加したり、チケットのサイドカンバセーションを管理したりすることができます。このアドオンは、Zendeskの価格やパッケージをシンプルにするために一度は廃止されましたが、多くのご要望に応え、再び提供を開始しました。詳しくは「コラボレーションの概要」をご覧ください
一度廃止されたコラボレーションアドオンの提供が再び開始されました。Support Professional以上のプランで購入が可能となっており、コラボレーションアドオンの内容はライトエージェントの追加、サイドカンバセーションの管理、CCとフォロワーのフィールド追加となっています。
トリガですべてのチャネルが選択可能に
チャネル名トリガですべてのチャネルタイプが有効になりました。これまではメッセージングチャネルのみが有効でしたが、この機能が拡張され、すべてのSunshine Conversationsチャネルが含まれるようになりました。チャネル名トリガの設定により、Twilioなど、SuncoのダッシュボードやAPIで管理されているチャネルタイプを利用できるようになります。詳しくは「チケットトリガの条件とアクションのリファレンス」をご覧ください。
これまでトリガで条件やアクションでチャネルを選択できるのはメッセージングチャネルのみでしたが、すべてのチャネルが選択できるようになりました。
基本情報カード
Support以上とSuite Professional以上のプランで、設定可能なカードが利用できるようになりました。これまで、設定可能なカードはEnterpriseプランでしか利用できませんでした。また、基本情報カードの管理ページのタイトルが「カード」の名称に変更されました。「カード」では、カスタマーコンテキストパネルの上部にあるユーザー基本情報カードに表示される情報を設定することができます。詳しくは「ユーザー基本情報カードの設定」をご覧ください。
基本情報カードとは、エージェントワークスペースのコンテキストパネルに表示されるもので、ユーザーの名前や電話番号、メールアドレスなど様々な基本情報が確認できます。
これまで基本情報カードはEnterprise以上で利用可能でしたが、Support以上とSuite Professional以上で利用可能になりました。
基本情報カードの内容は管理センターのワークスペース > エージェントツール > カードからカスタマイズすることができます。
また、管理センターでの「基本情報カード」の名称は「カード」に変更されました。
SLAの詳細設定
SLAの詳細設定により、より多様な状況に合わせてSLAをカスタマイズして適用できるようになりました。これらの詳細設定は、初回返信時間、次の返信時間、更新間隔の各メトリックで使用できます。この設定により、SLAのメトリックがアクティブになるとき、または達成されるときのロジックを、個々のポリシーごとに変更できます。詳しくは「詳細設定によるSLAのカスタマイズ」をご覧ください。
SLAの詳細設定とは、SLAの「初回返信時間」、「次の返信時間」、「更新間隔」の各メトリックを詳細に設定するもので、例えば初回返信時間の条件を定義したりできます。
このSLAの詳細設定は各メトリックの時間を入力する欄のさらに下で設定できます。
Guide
記事エディタのレイアウト変更
記事の設定パネルを再設計し、よく使用する管理機能とレイアウト機能をまとめました。使用頻度の高い機能をまとめたことで、エディターでの作業効率を高め、ワークスペースが乱雑になるのを防ぎ、必要な編集作業に集中できるようになりました。記事設定パネルの再設計に加えて、既存の「リビジョン」サイドバーに新しいショートカットを導入しました。詳しくは「ナレッジベースでの記事の作成と編集」をご覧ください。
Guide管理の記事エディタで編集することができる記事の設定が項目ごとにまとまりました。以前のアップデートに続いて、記事を作成する上でのエディタ画面がより分かりやすくなりました。
テンプレートAPI新バージョン
ヘルプセンターのテンプレートAPIの新バージョンをリリースしました。テンプレートAPIのバージョン4をリリースし、それに伴うCopenhagenテーマのアップデートを実装しました。このアップデートでは、ヘルプセンターの標準的なエンドユーザーエクスペリエンスに100を超えるアクセシビリティ改善を加えるとともに、開発者エクスペリエンスとセキュリティの向上も実現しました。詳しくは「テンプレートAPI v3からのアップグレード」をご覧ください。
ヘルプセンターのテンプレートAPIのバージョン4がリリースされました。これによりCopenhagenテーマのアップデートが実装されました。
Explore
Exploreの設定
Exploreの管理者設定ページの操作性が改善されました。Exploreの管理者設定ページのユーザーエクスペリエンスをアップデートしました。この新しいエクスペリエンスにより、データセットへのアクセス、ダッシュボードの共有、グラフのデフォルトの色、エクスポートの設定、週の始まりの設定など、複数の設定を効率良く管理することができます。詳しくは「Exploreインターフェースの紹介」をご覧ください。このアップデートでは以下の変更も行いました。
- Explore管理者設定ページから「ダッシュボードメールの配信」セクションを削除しました。今後、ダッシュボードの配信スケジュールは、ダッシュボードライブラリで直接確認できます。
- Exploreの管理者権限を持つユーザーにのみ設定アイコンが表示され、管理者設定ページにアクセスすることができます。
Exploreの設定ページがアップデートされました。(Exploreの設定は管理者権限のみ)
Exploreの設定へ移動すると、データセットへのアクセス、共有、書式のタブに分かれており、下記のような設定などができるようになりました。
- データセットへのアクセス制限
- リンクなどのダッシュボードの共有
- グラフのデフォルトの色
- 週のはじめの曜日
チャネル別ライブパフォーマンス
各チャネルのライブパフォーマンスを個別に監視できるダッシュボードが追加されました。ビルトインの新しいライブダッシュボードでは、すべてのチャネルのパフォーマンス状況がリアルタイムで確認できます。詳しくは「Exploreのチャネル別のライブパフォーマンスダッシュボードの概要」をご覧ください。
新たなダッシュボードがデフォルトで追加され、すべてのチャネルのパフォーマンス状況がリアルタイムで確認できるようになりました。
このアップデートから「チャネル別ライブパフォーマンス」という名称で追加されています。
オムニチャネルルーティングキュー
オムニチャネルルーティングのカスタムキューを監視できるダッシュボードが追加されました。ビルトインの新しいライブダッシュボードでは、オムニチャネルルーティングのカスタムキューのパフォーマンス状況をリアルタイムで監視できます。詳しくは「オムニチャネルルーティングキューのライブモニタリングダッシュボードの概要」をご覧ください。
ひとつ前のアップデート項目と同様に、新たなダッシュボードがデフォルトで追加され、オムニチャネルルーティングのカスタムキューが監視できるようになりました。
このアップデートから「オムニチャネルルーティングキュー」という名称で追加されています。
エージェントのステータス変更
エージェントステータスの変更権限を拡張しました。管理者に加えて、適切な権限を持つ他のExploreユーザーもエージェントのステータスを変更できるようになりました。詳しくは「エージェントのステータスを変更する」をご覧ください。
Exploreの管理者権限があるユーザーはエージェントのリストから1人または複数人のエージェントのステータスを変更することができます。
※こちらの画像はZendeskヘルプから引用
AIエージェント
カスタム翻訳
管理者は、メッセージングチャネルでAIエージェント用のカスタム翻訳コンテンツを作成できるようになり、ボットメッセージに対して自動翻訳を上書きするカスタム翻訳を作成できます。これには、あいさつなどの標準応答メッセージや、カスタマイズされた応答フローのメッセージも含まれます。
さらに、ボットに設定した言語での会話を、公開前にテストボットでプレビューできます。テストボットのプレビューには、自動翻訳されたコンテンツに加えて、追加されたカスタム翻訳も表示されます。詳しくは「会話ボットの言語の管理」をご覧ください。
ボットには自動翻訳の機能がありますが、ボットビルダーの回答ステップにて翻訳の内容を言語ごとにカスタマイズすることができます。
ボットビルダーでカスタム翻訳を作成するには、管理センターのチャネル > ボットと自動化 > ボット > ボットを管理へ移動し、変更するボットを選択します。回答タブに移動し、カスタム翻訳をするステップを選択、翻訳を管理に移動して言語ごとにカスタムテキストを入力します。
サポート言語の追加
Zendeskボットに新しい言語のサポートが追加されました。サポートされる言語については、「Zendeskボットでサポートされている言語」のリストをご覧ください。
Zendeskボットでサポートされている言語の種類が増えました。サポートされている言語については上記リンクをご参照ください。
管理センター
スキルベースルーティング
オムニチャネルルーティングで、スキルがタイムアウトになった後、対応可能なすべてのエージェントを適格な担当者として扱うようになりました。これまでは、スキルがタイムアウトになると、オムニチャネルルーティングでチケットを割り当てるエージェントが適格かどうかを判断できるように、エージェントはステータスやキャパシティを変更するなど、何らかの操作を行う必要がありました。詳しくは「オムニチャネルルーティングでスキルを使用する」をご覧ください。
オムニチャネルルーティングでは、チケット割り当て時のエージェントの適格性を判断するためにエージェントの属性「スキル」を使ったスキルベースルーティングができます。スキルを使ったオムニチャネルルーティングでは、スキルの適合性を最優先としてキャパシティなども含めてチケットを割り当てますが、チケットを作成してから一定時間経過しても適合するスキルを持つエージェントが見つからない場合も、対応可能なすべてのエージェントを適格な担当者として扱うようになりました。
マルチセレクトフィールド
カスタムのマルチセレクトフィールドがユーザー、組織、カスタムオブジェクトでサポートされるようになりました。これまで、マルチセレクトフィールドはカスタムチケットフィールドでのみサポートされていました。詳しくは「カスタムフィールドのタイプについて」をご覧ください。
マルチセレクトフィールドとはフィールドのタイプの一つで、複数の選択肢の中から複数選択できるフィールドタイプです。これまでマルチセレクトフィールドはカスタムチケットフィールドでのみサポートされていましたが、ユーザー、組織、カスタムオブジェクトでもサポートされるようになりました。
また、ボットビルダーではこのマルチセレクトフィールドはサポートされていません。
新しいプレースホルダ
新しく改良されたプレースホルダにより、カスタムオブジェクトデータの参照が可能になりました。カスタムオブジェクトデータのプレースホルダはオブジェクトトリガのみでサポートされています。ただし、ルックアップリレーションフィールドのプレースホルダも機能拡張され、チケットやメール通知でカスタムオブジェクトデータを参照できるようになりました。詳しくは「カスタムルックアップリレーションシップフィールドにプレースホルダを使用する」をご覧ください。
プレースホルダとはトリガや自動化、マクロなどで使用できるチケットやユーザー名などを文章中に差し込む機能です。
今回、オブジェクトトリガでのみカスタムオブジェクトデータの参照が可能になり、チケットやユーザー、組織などに加え、カスタムフィールドのプレースホルダを使用できるようになりました。
Premiumサンドボックスのレポート
Premiumサンドボックスで作成レポートが提供されるようになり、サンドボックスの作成日時、複製されたデータ、複製に失敗したデータなどの情報の概要を確認できます。データの複製に失敗した場合の説明も提供されます。作成レポートの利用期限は、Premiumサンドボックスが作成されてから30日です。詳しくは「Premiumサンドボックスの作成レポートの生成」をご覧ください。
Premiumサンドボックスで作成レポートが提供されるようになりました。このレポートでは、サンドボックスの作成日時や複製されたデータ、複製に失敗したデータなどの情報の概要を確認することができます。
Premiumサンドボックスの作成レポートは管理センターのアカウント > サンドボックス > サンドボックスへ移動し、サンドボックスのメニューアイコンから「作成レポート(.csv)のダウンロード」を選択することでダウンロード可能です。
コンテキストワークスペースのインターフェース
コンテキストワークスペースのインターフェースが一新されました。新しいデザインは、ページの読み込み速度が速くなり、管理センターのページ全体で一貫したインターフェースを提供し、アクセシビリティ基準にも準拠しています。詳しくは「コンテキストワークスペースの設定」をご覧ください。
コンテキストワークスペースのインターフェースが新しくなりました。これにより、ページの読み込みが早くなりました。
セキュリティ
高度な暗号化の早期プログラム(EAP)
高度な暗号化の早期アクセスプログラム(EAP)は、サンドボックスアカウントと本番アカウントの両方でご利用いただけます。高度な暗号化は、暗号化キーを管理することで、Zendesk内の個人を特定できる情報(PII)のセキュリティをさらに強化し、最高レベルのデータ保護を実現します。EAPの詳細と参加申し込みには、こちらのフォームをご利用ください。
高度な暗号化の早期プログラム(EAP)はこれまでサンドボックスアカウントのみ利用可能でしたが、2024年7月24日より本番アカウントでも上記フォームから申し込むことで利用可能になります。
ユーザーのサインイン方法の設定を簡単に
エンドユーザーやチームメンバーのサインイン方法を、管理者が簡単に設定できるようになりました。エンドユーザーは、ソーシャルサインインを使用するためにZendeskによる認証をオンにする必要はなくなりました。チームメンバーにとって、ビジネスサインインは相互に排他的なオプションではなくなりました。ビジネスサインインとカスタムシングルサインオン(SSO)を同時に提供できます。詳しくは「ソーシャルおよびビジネスシングルサインオンを有効にする」をご覧ください。
管理者はユーザーのサインイン方法を簡単に設定できるようになりました。管理センターのアカウント > セキュリティの「チームメンバーの認証」または「エンドユーザー認証」から設定できます。
開発者
カスタムオブジェクトで使用できるAPIの追加
カスタムオブジェクトで使用できる2つの新しいAPIが追加されました。
- フィルター検索エンドポイントは、検索およびフィルター条件を満たすオブジェクトのレコードの詳細な機能リストを返します。詳しくは、開発者向けドキュメントの「Filtered Search of Custom Object Records」を参照してください。
- カスタムオブジェクト用のオブジェクトトリガをAPIで作成および管理できるようになりました。詳しくは、開発者向けドキュメントの「Object Triggers API」を参照してください。
カスタムオブジェクトで使用できる新たなAPIが2つ追加されました。1つはフィルター検索エンドポイントで1つはオブジェクトトリガとなっています。詳細は上記の各APIのドキュメントをご覧ください。
まとめ
今回はZendeskの2024年8月のアップデート情報についてまとめてみました。参考になれば幸いです。
参考記事
Zendeskヘルプ > 製品関連のニュースと新着情報 > Zendeskの新機能 > Zendeskの新機能:2024年8月